矯正歯科とは
矯正歯科は、噛み合わせや歯並びを改善するための歯科治療です。悪い歯並びや咬み合わせは、さまざまな歯科疾患の原因になります。矯正治療によって歯並びを整えることで、口腔内の健康を維持できます。矯正歯科にはさまざまな治療方法があります。この記事では、矯正歯科のメリットやデメリット、治療方法、治療後のケアなどについて詳しく解説します。
矯正歯科とは歯並びを改善する治療
矯正歯科とは、矯正器具を使用して叢生(乱ぐい歯)などの悪い咬み合わせ(不正咬合)を改善する歯科治療です。 歯並びを正しく整えることは見た目の改善のみならず、虫歯や歯周病などの歯科疾患を予防し、口腔内の健康維持にも役立ちます。また、発音機能や咀しゃく機能の改善も期待できます。不正咬合の種類
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叢生(八重歯・乱ぐい歯)
叢生(そうせい)とは乱ぐい歯とも呼ばれ、歯と顎の大きさのバランスの悪さにより、歯が部分的に重なっている状態です。 八重歯も叢生のひとつです。日本人の不正咬合の中で最も多い割合を占めることが明らかになっています。 叢生の程度に応じて、抜歯を伴う矯正治療が必要となることがあります。 -
反対咬合(受け口)
反対会合とは、下の歯が上の歯よりも前に出ている状態で、受け口とも呼ばれます。 上下の前歯の傾きに原因があるものと、上顎に対し下顎が大きすぎることが原因となっているものがあります。 -
過蓋咬合
過蓋咬合とは、前歯の咬み合わせが深い状態をいいます。 咬み合わせが深く、下の前歯が見えない状態となっているような過蓋咬合の場合は、上の前歯へや顎関節への負担が増し、痛みなどが生じます。 -
切端咬合
切端咬合とは上下の歯に本来あるべきスペースがなく、上下の前歯の先端がぶつかっている状態をいいます。 通常、上の前歯は2〜3㎜程度下の前歯にかぶさり、横から見たときに上の前歯が下の前歯よりも2〜3㎜程前にあるのが、正常な咬み合わせの状態です。切端咬合では歯の先に負担がかかり、歯が欠けるなどのリスクが高まります。 -
開咬
開咬とは、奥歯で噛んでも前歯などが噛み合わない状態をいいます。 前歯が噛み合わないため、前歯でうまく食べ物を噛み切ることができなかったり、発音や滑舌が悪くなったりします。 -
上顎前突(出っ歯)
上顎前突は一般的に出っ歯といわれる状態で、上の前歯や全体が前に大きく出ています。 上顎前突は上の前歯がでていることで、けがにより歯が折れたり、欠けたりするリスクが高まります。
矯正歯科のメリット
虫歯や歯周病などの予防
歯並びが悪いと歯磨きがしづらく、磨き残しなどで虫歯や歯周病になるリスクが高まります。 矯正治療により歯並びを整えることで、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病などの歯科疾患を予防できます。発音や咀しゃくなどの口腔機能の向上
歯並びの改善により、発音が明瞭になることが期待できます。また、咬み合わせが良くなるため、食べものをしっかり噛むことができるようになります。見た目の改善
整った歯並びにより、口元の見た目が良くなります。見た目に自信が持てることで、プライベートやビジネスシーンでの社交性の向上が期待できます。矯正歯科のデメリット
痛みや不快感を伴う
矯正器具の装着により、痛みや不快感を感じることがあります。痛みや不快感は徐々に解消されます。治療期間が長く、費用が高額になる
矯正歯科は、少しずつ歯を移動して正しい歯並びへと改善するため、治療期間が長くなります。また、保険適用外となることが多く、自己負担が高額になります。抜歯が必要になる場合がある
歯並びの状態によっては、やむを得ず健康な歯を抜歯して矯正治療を行う場合があります。矯正治療の種類
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マルチブラケット矯正
マルチブラケット矯正は、金属製のブラケットとよばれる矯正装置とワイヤーを使用して矯正する方法で、最も一般的な矯正方法です。近年では、見た目で矯正していることが目立ちにくい白いセラミック製のブラケットやホワイトワイヤーなどの矯正装置もあります。 -
マルチリンガルブラケット矯正
マルチリンガルブラケット矯正は、歯の裏側に矯正装置をつける矯正方法です。矯正治療をしていることが目立ちにくいというメリットがありますが、舌の接触による痛みや話しづらさが生じるデメリットもあります。また、通常の矯正方法よりも高い技術を必要とするため、経験豊富な歯科医院を選ぶことが重要です。 -
マウスピース矯正
透明なマウスピースを徐々に取り換えていくことにより歯並びを治す矯正方法で、インビザラインといいます。目立ちにくく、食事や歯磨きの際にも取り外せるため衛生的です。